習い事教室・スクールの運営者にとって、経営上、最も重要な指標の一つは「生徒・会員の継続率」です。
教室運営という会員制ビジネスにおいては、どれだけ長い期間、生徒(会員)でいてくれるかが生命線でもあります。
また、数ある教室から選んでくれた大切なお客様であり、頑張って集客して入会頂いたお客様ですから、どうにかして退会を防ぎ、継続して頂きたいですよね。
レッスンの対象が子どもの場合、退会か継続かの最終的な意思決定は保護者がすることが多いため、退会防止のポイントとして、保護者とのコミュニケーションが重要と言われています。
そこで今回は、子どもの習い事教室・スクールにおいて、保護者とのコミュニケーションで生徒の継続率を上げる方法についてお伝えします。
習い事教室・スクールが知っておくべき継続率とは
皆さんの教室では、生徒(会員)の継続率(または定着率)の計測はできていますか?
教室・スクールという会員制ビジネスで収益を安定させるには、どれだけ長い期間、生徒(会員)でいてくれるか、つまり継続率を高めることが重要です。
継続率は以下の式で算出することができます。
継続率 =
一定期間後に在籍中の会員数 ÷ ある期間に入会した会員数 × 100
たとえば
・4月中に入会した人が20人
・その20人のうち10月末時点に在籍しているのが15人
(4月〜10月の間に5人退会している)
この場合の会員継続率は、
(20-5) ÷ 20 × 100 = 75% となります。
3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年など一定期間ごとの継続率(定着率)を計測すると
・退会されやすい時期
・継続が安定する時期
が可視化されるため、改善すべきポイントがわかりやすくなるというメリットがあります。
一般的に、入会からの期間が長くなると、退会数も減り継続率が安定する傾向にありますが、どの時点で継続率が安定するかは教室や提供しているサービスによって異なります。
入会からどの時点の生徒(会員)へ、どのようなフォローをした方が良いかを考え、実行することで、退会を防ぎ、継続していただける生徒(会員)を増やす事に繋がります。
ちなみに「退会率」という考え方もあります。退会率は下記の式で算出できます。
退会率 =
ある期間で退会した会員数 ÷ ある期間開始時の会員数 × 100
たとえば
10月1日の会員数が150人
10月末時点で145人だった場合(10月に新規入会した方は除く)
この場合の退会率は、
(150-145)÷ 150 × 100 = 3.33% となります。
月ごとに数値を出していると、年度の変わり目は進学や引越しなどの影響もあり、退会率が高めになる時期もあります。
外的な要因以外で退会率が高い月があれば、それは異常値として認識し、運用を見直すなど振り返りをする機会にしましょう。
継続率を上げるためにやるべき事
子どもの習い事教室・スクールの場合、生徒(会員)の継続率を上げる為には「保護者とのコミュニケーション」が効果的であると言われています。
冒頭でも触れましたが、レッスンの対象が子どもの場合、退会か継続かの最終的な意思決定は保護者がすることが多いです。
先生が普段接しているのは生徒(子ども)ですよね。
その生徒が、教室でのことを保護者に話さなかった場合、
・この教室に行ってて楽しいのか?
・この教室に行って何が成長しているのか?
・なんでこの教室に通っているんだっけ?
保護者がこのような疑問を感じ始めます。
こうなると、辞める、退会するという選択肢を想起させてしまうので、そうならないためにも、教室、先生から保護者に対して積極的にコミュニケーションをとり、教室の価値や、子どもの成長を伝えていくことが大切です。
大会や、発表会、イベントなどで年に数回しっかり伝えるというよりは、簡単なことで良いのでこまめなコミュニケーションをとる方が、教室の必要性を感じてもらいやすいためオススメです。
入会初期が長期継続のポイント
体験レッスン後に納得されて入会を決めたものの、
・この子は続けられるだろうか?
・先生との相性、他の生徒を含めた教室の雰囲気は合うだろうか?
・送り迎えはできるだろうか?
など、入会初期はまだまだ不安を抱えていることが多いです。
そのため、入会から3ヶ月〜6ヶ月以内は退会率が高いと言われています。
子どもの習い事教室・スクールの場合、この期間は特に注意して、保護者と細めにコミュニケーションをとる様にしましょう。
たとえば、
・初回レッスン日の前に当日のご案内をする
・レッスンで行ったことを報告する
・現状をみて今後の進め方を共有する
・できる様になったことを写真や動画とともに報告する
・心配事や家での様子を確認する
上記は一例ですが、入会初期はとにかく接触回数を増やして不安要素を取り除き、信頼関係を築く事が大切です。
接触頻度が増えるほど、人は人に対して好意や安心感を持つと言われていますので、心当たりがある方はぜひお試しください。
コミュニケーションの方法とメリット・デメリット
ここまで保護者とのコミュニケーションが重要だということを伝えてきましたが、コミュニケーションの方法にもいろいろあるので、
よくある方法について、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
■レッスン時の会話
・メリット :
レッスン前なら要望や心配事に対してその後のレッスンですぐに対応できる
レッスン後はその日のレッスンフィードバックを詳細に伝えられる
保護者から話しかけてくれることもある
・デメリット:
保護者が教室・スクールに来てくれないと話ができない
レッスンの合間などで時間が限られている
■メール
・メリット :
ほぼ全ての人がメールアドレスをもっている
いつでも連絡ができる
無料で使える
・デメリット:
メールに気づかれない事がある
文章だけだと伝わり切らない事がある
文章にするのに手間がかかる
■LINE(LINE公式アカウント)
・メリット :
ある程度無料で使える(従量課金制度)
開封率が高い
既読確認ができる
気軽にやりとりができる
写真や動画も送りやすい
・デメリット:
やりとりがフランクになりすぎる事がある(友達のようなやりとり)
送る時間によっては迷惑になる可能性がある
レッスン報告(レッスンレポート)がフィードで流れてしまい後で振り返りがしずらい(写真や動画は一定期間経つとダウンロードできなくなる)
■コミュニケーションアプリ
・メリット :
教室からの連絡として認識されやすい
個別のメッセージ以外にも振替や、事務連絡の一斉送信など、レッスン報告(レッスンレポート)を使った振り返り機能など、教室運営に役立つ機能が搭載されている
・デメリット:
保護者側に導入の手間がある
システム利用料が発生するアプリもある
■保護者面談
・メリット :
お互いの現状を詳細に確認でき、問題解決に直結する話ができる。
・デメリット:
実施できる回数が限られる。
日程調整が大変。
このようにコミュニケーションには様々な方法があるので、状況に合わせて活用し、入会初期のお客様は特にコミュニケーションの頻度を上げて、退会率を下げる(継続率を上げる)工夫をしていく事が大切です。
まとめ
ここまで、
・継続率を可視化すると、改善すべきタイミング・ポイントが明確になる
・継続率向上(退会防止)には保護者とのコミュニケーションが重要
・特に入会初期のお客様にはコミュニケーションの頻度を高める
ということをお伝えしました。
継続率を出すためには、入会時期と退会時期が把握できている必要がありますし、
継続率を高める為にお客様ごとのコミュニケーションの頻度が適切か履歴が確認できる状態になっている必要があります。
生徒名簿や、連絡アプリがバラバラになっていると、集計するのは大変なので、習い事教室専用の管理サービスを検討するのも一つの方法です。
スクルーが提供している、教室・スクール向け生徒管理システム「スクの助」なら、教室に関する情報を一元管理できます。
トライアル利用もできるので、ぜひ利用してみてください。
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