小学生が通信教育で学習するメリットとは?

小学校で学ぶ国語や算数といった基礎的な学力は、子どもが将来どのような職業に就くとしても必要になる大切な力です。中学校受験を意識している家庭だけでなく、そうではない家庭であっても、きっちりと習得しておきたいところですね。一方で、学校の授業だけでは十分に学力が身につかないと感じており、通信教育や学習塾などプラスαの学習を利用している方が多いのも事実です。
この記事では、学校での授業を補う学習方法のひとつである、小学生むけの通信教育について、その内容や効果、塾などの他の方法との違い、サービスを選ぶ上での注意点などをご紹介します。ご家庭に合った学習方法を見つける参考になれば幸いです。

通信教育とは

通信教育とは、テキストや映像を使って、主に自宅等で学ぶ学習形態のひとつです。逆に通学して対面授業を受ける形態は通学教育です。通信教育は、小学生などの子供むけに限らず、資格の取得や語学習得などの社会人向け通信教育や、大学、高等学校の卒業資格得られる教育課程もあり、幅広い年齢層に向けて多くのサービスが提供されています。通信教育の歴史は古く、日本では明治時代から大学講義の通信教育が始まったようですが、小学生向けの家庭学習として普及し始めたのは1970年代からのようです。
小学生を含む子供向けの通信教育の市場は、近年徐々に減少傾向でしたが、直近の2〜3年を見ると横這い、もしくは少し上昇しているようです。これは、従来の紙テキスト中心の小学生向け通信教育に加えて、新たにICT機器を使った通信教育サービスが充実してきたことが原因だと思われます。また、新型コロナウイルス感染拡大によって外出を控えるになったのも影響しているでしょう。

小学生むけ通信教育は学習の習慣が身に付く

子供の学力を向上させようとした場合には、塾に通うという選択肢はとても一般的です。塾では先生が教壇に立ち、授業時間中は周囲の友達もみな勉強しているので、学校の授業と同じように学習に集中できる環境があります。通うほど学力が向上するのは当然と言えるでしょう。
一方で小学生むけの通信教育では、学習する環境は家庭になります。周囲には玩具やテレビなど、気が散るアイテムが勢ぞろいで、そもそも学習に集中すること自体が難しい環境にあります。小学生向けの通信教育は、家庭でも子どもが集中して学習できるような工夫が、かなり作り込まれています。ある程度の親のサポートは必要ですが、通信教育を利用して学力の向上に加え、家庭での学習習慣も身に付けることができます。
家庭での学習習慣を身に付けるメリットは、国語や算数といった学校で習う学力の向上に止まりません。自分の好きなことを見つけて、それを探求するような、自ら学ぶ姿勢を身に付けることができれば、将来きっと役に立つでしょう。

小学生向け通信教育のメリット・デメリット

子供の学力向上を目的とした場合、通信教育の比較対象として学習塾があげられます。ここでは、主に学習塾と比較した場合の通信教育のメリット、デメリットを紹介します。

メリット

家庭での学習習慣が身に付く
前述のとおり家庭での学習習慣が身に付くメリットがあります。
自分のペースで学習できる
苦手なところに時間をかけたり、得意なところを飛ばしたりと、集団授業の塾とは違って自分のペースで学習できます。
費用が安価
学習塾に通うよりも安価に利用できる場合が多いです。
通塾の時間がない
学習塾と比較すると、通塾に費やす時間がありませんので、時間を効率的に使えます。
安全
通塾時のリスクや、集団授業での感染症リスクがありません。

デメリット

親のサポート必須
学習塾は塾に行きさえすれば先生のサポートで勉強に集中できますが、通信教育では習慣化するまでにどうしても親のサポートが必要になります。ただし、ここを乗り切れば後々の効果は高いでしょう。
分からないことをその場で聞けない
塾であれば分からないところを先生に聞いて直ぐに解決できますが、通信教育ではそれができません。保護者のサポートができれば問題はありません。
競争環境がない
友達との競争意識については必要・不必要と賛否が別れますが、学習塾との違いのひとつです。
受験対策など個別指導がない
一部の通信教育サービスでは、受験する学校ごとの個別カリキュラムが用意されているようですが、一般的には個別の事情に合わせた指導はありません。

小学生むけ通信教育の選び方

紙テキストかタブレットか

2000年代頃までは小学生むけの通信教育といえば紙テキストが中心でした。紙テキストタイプのサービスでは、月に1回、その月に学習する範囲の紙テキスト教材一式が自宅に届きます。多くの場合、学習の範囲は学校の授業とペースを合わせてあるので、学校の授業の予習や復習ができるようになっています。また、勉強したテキストには親が丸つけすることが基本となっており、親にとっては子供の学習状況が把握できますし、コミュニケーションのきっかけにもなるメリットがあります。
一方で近年増えているタブレットやパソコンを使ったデジタル教材の通信教育サービスでは、紙のテキストには無いメリットもたくさんあります。例えば算数で学ぶ単位や図形といった学習項目を、動画やアニメーションで分かりやすく解説していたり、英語の学習ではネイティブの発音を学ぶことも出来ます。問題を解くと、親の丸つけを待たずに自動で正解・不正解がわかるのも特徴で、直ぐに間違いに気づき修正することが出来ます。また、学習する範囲を自由に選べるのも紙のテキストとの大きな違いです。前述の通り紙のテキストは毎月学校の授業に合わせた学習範囲を学びますが、多くのデジタル教材では小学生であれば1年生〜6年生までの学習範囲を自由に学ぶことが出来ます(サービスによって範囲は異なります)。苦手なところは学年を遡って勉強したり、得意なところは学校よりも先行して学んだりと自由度が高いところも特徴です。

適切な難易度を選ぶ

小学生向け通信教育といってもサービスによってその難易度には大きな違いがあります。学校の授業の予習や復讐を主な目的としたサービスもあれば、難関中学校の受験を目的として応用問題を中心に作られているサービスもあります。子どもに合った難易度のサービスを選ばないと、子どものやる気が続かなくなり、無駄になってしまいますのでご注意ください。ほとんどのサービスが、初月無料などのお試し期間を用意しているので、複数のサービスを試して、子どもに合ったものを選ぶと失敗が少ないでしょう。

まとめ

ご紹介してきたように、小学生向けの通信教育には、学力の向上以外にも様々なメリットがあります。お子様と相談しながら、いくつかのサービスを試してみてはいかがでしょうか。
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