キッズウィークで子供の体験は変わるか?

5月24日に行われた教育再生実行会議で発言された施策に注目が集まっています。『キッズウィーク』です。

キッズウィークとは、自治体が学校の長期休暇の一部を通常の平日月曜〜金曜に移動させ、長期休暇以外で9連休を作り親子で過ごす時間を増やそうというものです。例えば夏休みを5日前倒して終了し、その5日を休みのない6月に持っていき9連休を作るなどが考えられます。

この施策を行う主な目的は『子供たちの自己肯定感が低い現状を改善する』です。今の子供は自己肯定感が低い子が多いようで(第40回 教育再生実行会議 配布資料)、簡単にまとめると『自己肯定感が高い子の方が挑戦的なリーダーになりやすい』という調査結果から、他国と比較して日本が自己肯定感の低い現状を改善しようという動きです。

キッズウィークとの繋がりは、『家族でスポーツをしたり自然の中で遊んだことが多い子の方が自己肯定感の強い子が多い』→『親子で過ごす時間を増やそう』→『親子で出かけやすい環境を作ろう』というものです。今のGWやお盆など、全国一律休暇で発生している交通渋滞・費用の高騰を軽減させる目的があります。

この施策はプレミアムフライデーのような直接消費を促すものではなく、子供の教育がメイン、そして次に働き方改革として休暇が取りやすくなるように、という2点で構成されています。

親が仕事の休みを取れるか

すでにツッコミが入っているようですが、親が仕事を休めるかが鍵であり、最大の難関です。「子供がキッズウィークなので一週間休みます」ができるのか、できないのか。仮にできたとして、このキッズウィークで有給を使用すると、在籍期間の短い社員は年間の半分近くを使うことになります。法定の有給は6ヶ月を過ぎて8割勤務していると10日付与され、1年ごとに1日増えていきます(最大20日)。子供が小さい親ほど会社勤めの期間は短いだろうことは想像できますので、ここで有給こんなに使って大丈夫か?という問題も出るでしょう。

後回しにされがちな小売・サービス業

プレミアムフライデーのときも恩恵をうけられないと声の上がった小売・サービス業は今回も例外ではありません。むしろ通常の土日も子供と接する時間が短いという点から見れば、普段の学校の休日を土日だけでなく平日からも選べるようにするとか、そういう選択肢もアリなのではないでしょうか。学校の長期休みを少し早く終わらせるという次元の改革で収まりませんが。土日休みクラスと月火休みクラスを作るとか。

子供の体験を変えるきっかけ作り

自然の中で遊ぶの「自然」が何を表しているのか明確ではありませんが、野っ原や海や山で遊ぶことが「自然」なのか、非日常を過ごすということが「自然」なのか。土を見ない都会で育つことが子供に不利に働くことが結論付けられたのだとしたら。

子供の体験を増やすことをビジョンにしているスクルー、引き続き注目していきます!

 

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