
子どもが輝ける場所を探している保護者にとって、「習い事」は重要な選択肢の一つです。特に表現力やコミュニケーション能力を育てる場として、演技やダンス、歌を学べるスクールが注目されています。
ホリプロスタースタジオは、そうしたニーズに応えるだけでなく、タレント養成にとどまらない「人間力」を育てることを目指して発展してきました。今回は、株式会社ホリプロ・インプルーブメント・アソシエーションの中村社長に、その理念やクラスの特徴について詳しくお聞きします。
\お話をうかがいました/

ホリプロスタースタジオ誕生の背景


よろしくお願いします。ホリプロスタースタジオは、もともと1997年に『ホリプロインプルーブメントアカデミー』として株式会社ホリプロの一事業部としてスタートしました。2007年にスクール事業が独立し、2024年に『ホリプロスタースタジオ』としてリブランディングしました。

ライフスタイルの多様化や少子化に対応するためです。タレント養成にとどまらず、演技・ダンス・歌などのレッスンを通して自己表現をする力を身に付けることで、自らの未来を切り開いていけるようサポートできる場にしたいと考えました。
また、幼稚園の年少さんから小学校6年生までの『ジュニアクラス』などに加え、中学生以降の『演技特化クラス』を新設。スタジオもこれまでの東京(目黒区)に加えて、名古屋(中区)・大阪(北区)でも開講しました。
演技・ダンス・歌を学ぶだけじゃない、総合クラスの魅力


大きく分けて『総合クラス』と『演技特化クラス』の2つがあります。総合クラスでは、演技・ダンス・歌などをバランスよく学べるのが特徴です。さまざまな表現方法に触れることで、自分の得意分野を見つけやすくなっています。

必ずしも「俳優になりたい」「タレントになりたい」という生徒ばかりではありません。ただ、テレビや舞台、CMに出演したいという希望は多くありますね。一方で、複数のジャンルを一度に学べる点に魅力を感じて入所される方もいらっしゃいます。

そうですね。ただ、複数ある分、それぞれのレッスンの回数は限られてしまうので、たとえばダンスでは、レッスンをビデオ撮影して保護者に共有し、ダンスのレッスンが無い期間中に忘れてしまわないようご家庭での復習をお願いしています。

ダンスはヒップホップやジャズ、小学生以上になるとタップダンスも取り入れています。演技においてもリズム感は重要で、ダンスは表現力の基礎を養う上で欠かせない要素なんです。
また、台本を使った演技だけでなく、インプロビゼーション(即興芝居)という授業もあります。たとえば「3人で学校の風景を作ってください」と講師が指示をすると、一人が椅子、一人が生徒、もう一人が先生を演じるなど、自由な発想で表現してもらいます。

その通りです。「表現を通じて、自分発信がきちんとできる力」を育てたいと考えています。引っ込み思案で人前で喋るのが得意ではない子でも、自分に自信を持っていろんなことを自分で発信できるように、レッスンを通じて学んでいただけると思います。
また、お芝居はセリフのキャッチボールなので、一方的ではなく相手の感情を受け取って返していく必要があります。そのため、「相手のことをよく知る」「相手を思いやる」ということも身についてきます。
もちろん技術面だけでなく、あいさつがきちんとできるか、人としての基本が備わっているかも、業界では重視されています。私たちはエンターテインメントのカリキュラムを通じて、「人間力を高める」ことを目指しています。


実際のお仕事につながるチャンス

いいえ、そうではありません。ステップアップをしなくても、総合クラスに在籍している時点で、どんどん仕事をしている子もいます。その年齢だからこそのお仕事というのは当然ありますので。総合クラスの生徒たちには、平等にお仕事をご紹介しています。ただし、基本的にはオーディションへ行って、そこで選ばれないと仕事にはなりません。

あり得ますし、むしろ小学生以下の方がオーディションの数は多いんです。中学生は子どもでも大人でも無い時期であるのと、仕事ができる時間が20時までと労働基準法で定められているので、撮影時間が長くなりがちな映画やドラマでは高校生を中学生に見立てて配役していることも多いんです。

たとえば、音楽では、米津玄師さんが作詞・作曲をした<NHK>「2020応援ソングプロジェクト」『パプリカ』を歌っていたFoorin(フーリン)の5人組のメンバー「たける」や、YOASOBI with ミドリーズの楽曲『ツバメ』で活躍した「りりな」は、うちの生徒でした。
舞台では、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』『ラブ・ネバ―・ダイ』などで活躍している小野桜介も、当スタジオの生徒です。
直近では、松嶋菜々子さんと共演したグリコ『アーモンド効果』のCMに出演している神尾優典が、演技特化クラス(G class)の生徒ですね。

そうですね。あとは、朝ドラとか大河ドラマは皆さん出たいという思いがあり、出演できるとすごく喜んでいますね。ものすごい大きな役ではなくても、主演の方とがっつり絡む役割はありますので。
東海・関西エリアにも拡大! 名古屋・大阪スタジオ開講

はい。9歳以上を対象にした『演技特化クラス』を開設し、早い段階から本格的なトレーニングができる環境を整えました。

講師は異なりますが、カリキュラムは同じです。東京・名古屋・大阪、3拠点すべての『演技特化クラス』では、アクティングトレーナー・秦秀明さんのメソッドに基づいて指導を行っています。

年齢の上限はありません。先行して展開している東京の『演技特化クラス』では、60代の方も一緒にレッスンを受けています。

2025年4月開講でこれからですが、確実に関心は高まっています。今後が楽しみです。
- ホリプロスタースタジオ Nagoya
演技特化クラス(名古屋) - Skyホリプロスタースタジオ Osaka
演技特化クラス(大阪)
親御さんへのメッセージ


スマートフォンやSNSの普及により、人と直接関わる機会が減ってきていると感じています。『個』で過ごす時間が増えた現代だからこそ、「人と関わり、人と喜怒哀楽を共にし、いろんなことを学んでいく」経験が大切です。ホリプロスタースタジオで、そうした実体験を通して成長してほしいと願っています。

これはレッスンに限らず、マネージャーとしてもそうなのですが、無名のころから共に歩み、ある程度の頂まで登れたときは、「この仕事の醍醐味だなぁ」と実感します。生徒たちが活躍する姿は、本当にわが子のことのように嬉しいです。
ご協力:株式会社ホリプロ・インプルーブメント・アソシエーション 代表取締役社長 中村雅与志様
取材:犬塚亮(株式会社スクルー 代表取締役)
ライター:北野啓太郎